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個人再生 30代 体験談|住宅ローン特則で家を守った会社員Hさんの記録

ケイの挨拶

こんにちは、ケイです。

「個人再生って、30代でも使えるの?」 「住宅ローンを払い始めて間もないけど、家を残せる?」

そんな疑問を持ってこの記事にたどり着いてくれた方も多いと思う。

今日は、事務員時代に出会った36歳の会社員Hさんのケースをもとに、30代×持ち家×個人再生という組み合わせの体験談を書いていくね。

借金が膨らんでいくスピードと、住宅ローンを守りながら手続きを進めるリアル。できるだけ自分ごととして受け取れる形で描いていこうと思う。


この記事でわかること

  • 30代でも個人再生は現実的に使える手続きか
  • 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を使ったときの実際の流れ
  • 持ち家を残しながら借金を圧縮できる条件
  • 受任から認可までの期間と費用感のリアル
  • 「家族にバレるのが怖い」という感情に対して、現場ではどう動いたか

Hさんのプロフィール

ケイの説明

Hさん(仮名)は相談に来たとき、36歳の会社員でした。

  • 年齢: 36歳
  • 職業: 営業職の正社員(勤続11年)
  • 年収: 約450万円
  • 家族構成: 妻(30代パート)・子ども1人(当時小学校1年生)
  • 持ち家: 購入して約5年、住宅ローン残高約2400万円(35年ローン)
  • 借金総額: 約420万円(カードローン2社・消費者金融2社・クレジットカードリボ1社)

相談室に入ってきたHさんは、若さの残る印象の方でした。でも口数は少なく、最初に出てきた言葉は「妻にだけは知られたくないんです」だった。

私はそのとき、「ああ、この方はもう限界まで一人で抱え続けてきたんだな」とすぐにわかった。30代で持ち家・小さい子ども・借金420万円という組み合わせは、心理的にもっとも追い詰められやすいゾーンだと、現場で何度も見てきたから。


借金が420万円になるまで——Hさんの5年間

きっかけは住宅購入直後の「想定外」だった

Hさんが最初にカードローンを使ったのは、家を購入した翌年、31歳のときだった。

家を建てたタイミングで、家電・家具・カーテン・庭まわりと、想定の倍くらいの出費が重なった。そこに第一子の誕生が重なり、教育費の積み立ても始めた時期。

「最初は30万円だけ。ボーナスで返すつもりだったんです」とHさんは話していた。最初に使った人の多くが、同じことを言う。私自身も27歳のときに同じことを思った。

リボ払いと2社目のカードローンが「見えない借金」を作った

転機は購入から2年目に、車を買い替えたとき。

頭金が足りずに別のカードローンを契約。クレジットカードのリボ払いも併用して、生活費の不足分をしのぐようになった。

リボ払いの怖さは、毎月「ちゃんと払えている感」があるのに、元本が思ったほど減らないこと。気づくとリボ残高だけで100万円を超えていた。

そこから消費者金融2社にも手を出し、Hさんが35歳になるころには合計420万円になっていた。

限界を自覚した日——給与日にカードの引き落としが止まった

Hさんが「もう無理だ」と自覚したのは、35歳の冬だった。

ボーナスがまだ振り込まれていない月の給与日、リボ払いの自動引き落としが残高不足で止まった。コンビニATMで残高を見て、その場でしばらく動けなかったと話していた。

それから約3ヶ月、毎晩スマホで「借金 家 残す」「個人再生 30代」「住宅ローン 任意整理 家」と検索し続けたすえに、フォームから事務所に問い合わせを送ってきた。


「なぜ任意整理でも自己破産でもなく、個人再生だったのか」

ケイの驚き

Hさんは相談に来た時点で、「自己破産だけは避けたい」と最初から決めていた。

事務員の初期対応の範囲で、私はもう少し状況を整理させてもらった。

任意整理ではなぜ足りないのか

任意整理(※利息をカットして残元本を3〜5年で分割返済する手続き)は、月々の返済を組み直す方法です。

Hさんの場合、420万円を5年で割ると元本だけで月7万円。利息カットの恩恵はあるけれど、住宅ローン9万円と合わせると毎月16万円前後の返済になる計算でした。

手取り月収約30万円のなかで、家族3人の生活費を確保しながら16万円を返済し続けるのは、Hさん自身が「現実的に無理だと思う」と言っていた。子どもの習い事や教育費の予備費まで考えると、限界を超えていた。

自己破産は「家を失う」という壁があった

自己破産(※裁判所に申立てて借金をゼロにリセットする手続き)は、Hさんにとって最大のハードルが持ち家を手放すことだった。

5年前に頭金を入れて建てたばかりの家。子どもが「ここがおうち」と認識して育ってきた家。

「子どもの居場所まで自分の失敗で奪うのは、どうしても無理です」とHさんは話していた。私はそれを聞いて、責任感の強さと、家族への申し訳なさの両方を抱え続けてきたんだろうな、と感じた。

個人再生+住宅ローン特則という選択肢

個人再生(※裁判所を通じて借金を大幅に圧縮し、原則3年(最長5年)で分割返済する手続き)には、**住宅資金特別条項(通称「住宅ローン特則」)**があります。

これは簡単にいうと、**「住宅ローンだけは通常どおり返済し続けることで、家を手放さずに済む可能性がある」**仕組みです。

Hさんの借金は住宅ローン以外の部分が約420万円。個人再生での最低弁済額は借金総額・清算価値などにより変わりますが、この規模だと100万円前後に圧縮されるケースが多い(※実際の金額は裁判所が個別事情をもとに判断します。一般論として、5分の1まで圧縮される目安があります)。

「家を残しながら、借金を5分の1まで減らせる可能性がある」——その説明を弁護士から受けた瞬間、Hさんの表情がふっと変わった瞬間を、私は今でも覚えている。

任意整理との比較が気になる方は、こちらも読んでみてほしい: 任意整理500万円の体験談|40代会社員が妻にバレずに完済した記録


受任から再生計画認可まで——Hさんの場合の流れ

受任直後:督促が止まった

弁護士が受任した直後に、各債権者へ受任通知が送付されます。これによって債権者からHさんへの直接の連絡(電話・SMS・郵送物)が止まります。

Hさんは受任後の1週間で「家のポストに督促状が届かなくなった」と話していた。妻に知られる最大のリスクが、まずひとつ消えた瞬間だった。

必要書類の収集(約1.5ヶ月)

個人再生は書類の量が任意整理より明らかに多い手続きです。

Hさんが揃えた主な書類は次のようなものでした:

  • 給与明細(直近2〜6ヶ月分)
  • 源泉徴収票(直近2年分)
  • 全債権者の借入残高証明書
  • 不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書
  • 住宅ローンの残高証明書・返済予定表
  • 銀行口座の通帳コピー(直近2〜6ヶ月分)
  • 家計収支表(毎月の収入・支出を一覧化)
  • 車検証・保険関係書類

Hさんの場合、平日は仕事で動けないので、週末に銀行・市役所・法務局を回って書類を集めていた。土日が3〜4回つぶれて妻に怪しまれないか、というのが一番ヒヤヒヤしたところだったと、後で笑いながら話してくれた。

申立てから認可まで(約6〜8ヶ月)

書類が揃ったら裁判所へ申立て。その後、裁判所が選任した「個人再生委員」(弁護士)との面談や、再生計画案の提出があり、認可を待つ流れです。

Hさんのケースでは申立てから認可決定まで約7ヶ月かかった。その間も住宅ローンは通常どおり返済を続けていた(ここが住宅ローン特則の核心です)。

費用感

個人再生の費用は一般的に、弁護士費用込みで40〜60万円前後のケースが多いとされています(事務所・借入状況・住宅ローン特則の有無により異なります)。

多くの事務所が分割払いに対応しており、Hさんも月々2〜3万円ずつ、受任から認可までの期間をかけて分けて払う形でした。


認可後——Hさんの家計はどう変わったか

ケイのウィンク

再生計画が認可され、Hさんの月々の返済はこう変わりました。

受任前の返済状況(月):

  • カードローン2社合計: 約4.5万円
  • 消費者金融2社合計: 約3万円
  • クレジットリボ1社: 約2.5万円
  • 住宅ローン: 約9万円
  • 合計: 約19万円

再生計画認可後(月):

  • 個人再生分の返済: 約2.8万円(圧縮された借金を3年で返済)
  • 住宅ローン: 約9万円(変わらず)
  • 合計: 約11.8万円

月々の負担が約7万円減った計算です。

Hさんは認可通知を受け取ったとき、「ようやく子どもの分の貯金ができる」と話していた。私はそれを聞いて、この5年間ずっと心の真ん中にあった不安が何だったのか、改めて理解した気がした。

家は守れたのか

住宅ローン特則が認められたことで、Hさんは引き続き自宅に住み続けることができた

条件として、住宅ローンを延滞せずに返済し続けることが求められます。Hさんの場合は、月々の他の借金返済が大きく減ったことで、住宅ローンの継続返済に余裕が生まれました。

「家を残せただけで、子どもの環境を変えずに済んだ。それが一番大きかった」とHさんは話していた。

妻にはどう話したか

Hさんが最も悩んでいたのが「妻に話すかどうか」だった。

弁護士から「個人再生は世帯収入の確認のため、原則として配偶者の収入も把握する必要がある」と説明があり、結果的にHさんは認可申立て前に妻に打ち明けた。

「正直に話したら、責められると思っていた。でも妻は『よく一人で抱えてきたね』と先に言ってくれた」とHさんは話していた。私はそれを聞いて、ちょっと泣きそうになった(事務員失格かもしれないけど)。

家族にバレるのが怖いという感情は、本当に多くの相談者が抱えるものだ。でも実際に話してみたあとに、「もっと早く言えばよかった」と多くの方が言う。これは現場で何度も見てきた共通点のひとつだ。


30代で個人再生を選ぶときに知っておきたいこと

「収入が継続的にあること」が前提

個人再生は、圧縮された借金を3〜5年で計画的に返す手続きです。

そのため、継続的な収入の見込みが申立ての前提になります。Hさんのように会社員で安定した勤続歴がある場合、この条件を満たしやすい一方、フリーランス・自営業の方はもう少し丁寧な収入立証が必要になります。

住宅ローン特則を使うには「家の名義」と「ローンの形」がポイント

住宅ローン特則を使える条件には、いくつかの要件があります。

  • 住宅ローンの返済を継続できる収入があること
  • 住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと(例: 別の事業性融資の担保になっていないか)
  • 住宅ローンが本人名義であること(共有名義は個別判断)

Hさんの場合はシンプルな単独名義の住宅ローンで、抵当権も住宅ローンのみだったため、条件はクリアしていた。

信用情報には登録される(5〜10年)

個人再生をすると、信用情報機関に事故情報として登録される(いわゆる「ブラックリスト」状態)期間が、認可後5〜10年続きます。

この期間は新規のクレジットカード・住宅ローン以外のローン・分割払いが原則使えなくなります。ただ既存の住宅ローンはそのまま継続されるので、そこは止まりません。

Hさんは「クレジットカードが使えないだけで、生活はむしろ整った」と話していた。リボ払い依存から抜けるという意味では、強制的なリセット期間として機能した側面もあったのかもしれない。


Hさんが「もっと早く相談すればよかった」と言った理由

相談から認可後まで関わったHさんが、後から振り返って言っていた言葉がある。

「200万円のころに動いていれば、ここまで複雑な手続きにならなかったかもしれない」

実際、420万円のうち最初の半分は、住宅購入後3年目までに作ったもの。そこから後の2〜3年で、もう半分が積み上がった。借金が借金を呼ぶスピードは、後半になるほど加速する。

これは多くの相談者に共通する経験で、私自身も27歳のとき同じだった。早い段階で動ければ、選択肢はもっと残っていた。これは現場で何度も見てきた現実だ。


30代で持ち家を持ちながら悩んでいる方へ——ケイから

ケイの挨拶

30代×持ち家×子育てというフェーズは、借金がもっとも見えなくなりやすい時期だと思っている。

住宅ローン・教育費・車・生活費、すべてが同時に動いている。1社目のカードローンは、本当に「ちょっとした補填」のつもりで始まることが多い。Hさんもそうだったし、相談に来る30代の多くが同じ入り口だ。

「個人再生」と聞くと大ごとに感じるかもしれない。でも、家を守りたい・家族の生活を変えたくない・でも返済が限界という3つが揃っているなら、最初に検討する価値のある手続きだと思う。

ただし、Hさんのように「住宅ローン特則」がうまく使えるかどうかは、個別の事情で変わります。家の名義・抵当権の状況・収入の継続性・他の借金の構成——いくつかの要素を一緒に見てもらう必要があるので、ここはやっぱり弁護士・司法書士に状況を整理してもらうのが一番確実だ。

「相談すること」と「依頼すること」は別物。多くの法律事務所・司法書士事務所では初回相談は無料で受け付けています。話を聞いてもらうだけでも、今見えていない選択肢が見えてくることが多い。秘密厳守は業務上の義務なので、相談したことが家族や勤務先に伝わることもありません。

家を残したいという気持ちは、ちゃんと選択肢として残しておけます。

40代の個人再生体験談はこちら: 個人再生 体験談|持ち家を守った40代の記録

同じ「家を残したい」気持ちで任意整理を選んだ方の体験談も参考になります: 任意整理500万円の体験談|40代会社員が妻にバレずに完済した記録


個別の事案については弁護士・司法書士への相談が一番確実です。この記事はあくまで情報提供を目的としており、法的助言ではありません。


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